ハーバード大学で最も人気があり1200人の学生を集める政治哲学の講義を
NHKが「ハーバード白熱教室」として放送し話題を集めました。
その講義を行っているマイケル・サンデル教授が
8月26日の東京大学安田講堂で講義を行い大盛況でした。
その翌27日の早川書房の講演会はニコニコ動画で生中継され盛り上がっていたので、
観られた人もいたのではないでしょうか?
今日はサンデルの来日を記念して、その独特の講義スタイルについて解説したいと思います。

サンデルの講義はソクラテスメソッドと呼ばれる方法で展開されます。
ソクラテスメソッドは、米ロースクールで取り入れたれている
ディスカッション形式で行われる講義のことです。
教授が判例を示し、学生にその判例について弁護あるいは批判を求め、
さらにその意見について議論を広げていくという形で行われます。
時には、学生の意見を徹底的に論破することもあり、
かなり厳しい教育方法でもあります。

ソクラテスメソッドが非常に優れているのは、
参加者、特に発言者の頭脳がフルスロットルで回転するので、
とても学習効率が高いことです。

どうして学習効率が高くなるのか、
それはある思想教育に関する実験から明らかになっています。

あるグループには、体系的なその思想の講義を受けさせ、
別のグループには、ただテーマを与えそれについてディスカッションをさせました。
その結果どちらがよりその思想に染まったかというと、
ディスカッションチームの方がより染まるということがわかっています。

理屈は2つです。
1つは、講義は受け身なのに対して、ディスカッションは能動的だということです。
単純化すれば、眠い講義より、グループワークの方が眠くないということです。

もう一つは、こちらの方がより大切なのですが、
自己説得が起こるということです。
ディスカッションでは、何が正しいのかを、
自分たちで考えて議論を積み上げなければなりません。
そのために、都度、自分自身を説得していくことになります。
当然講義より納得している感が高くなるので、より影響を受けるというわけです。

これらの理屈に加えて、人前で恥をかきたくないという心理も働くので、
ソクラテスメソッドは、非常に効くわけです。

最近この理屈を使ったソフトバンクの社員コンテストがありました。
企業理念を浸透させるために行ったコンテストです。
素直に、さすがだなと思いました。
演説を観ていても思うのですが、
孫さんはどこかでそういう体系的な教育を受けたのでしょうか・・・?

さて、この学習効果の高いソクラテスメソッドですが、
実際にやるのはそれなりに難しかったりします。
今度の回では、ソクラテスメソッドを使いこなす方法について解説しましょう。

蔭山洋介

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