No.3 音でイメージを表現する力を鍛える◆話し方 スピーチ プレゼンのPSL◆
Cats: ボイストレーニング

磯貝先生のボイストレーニングでは、
本来の日本語が持つ力を最大限に引き出して、
より深く伝えるための訓練をするそうです。
例えば、
「青い空」
という言葉を、別の音に置き換えて「青い空」というイメージを伝える
トレーニングがあります。
「パポイポパ」
というような、適当な音を使って相手に青い空というイメージを伝えます。
そして、どういう音であれば、青い空というイメージが伝えやすいかを
ひたすら試していきます
「パホイフキ」
「ニャウイノピ」
「タトフヌイ」
などいろんな音を組み合わせ、試行錯誤して
イメージに近い音を探していく、というトレーニングをするそうです。
そういうトレーニングを行うことで
「音でイメージを伝えていく」
能力を磨いていくのだそうです。
実は、言葉というのは、過去の人類たちのこのような試行錯誤の連続で、
作り上げてきたのではないかと考えられています。
なので、青い空という音は、試行錯誤の末に
その音が一番空の青さのイメージに近い
と多くの人が感じたからこそ、そういう音をもつ言葉になったのだと考えられます。
欧米社会は
「過去の人たちの数千年にわたる膨大な試行錯誤を大事にしよう。
めったなことではその音を変えないようにしよう。
子供には、その伝統的な音を正確に学ばせて
音でイメージを伝えることができるようにさせよう」
という明確な思想をもって言葉を大事にしてきました。
そういう蓄積によって、彼らは百年単位で
「音(声)でイメージを伝えるスキル」
を発達させてきたのです。
声だけでイメージを伝える能力って、魔法みたいですよね。
そういう能力が高ければ、日常生活においても
「豊か」
な生活を楽しむことができる気がしてきませんか。
空の青さをより明確に伝えることのできる音。
食事のおいしさをより鮮明に伝えることのできる音、その声。
今の悲しい気持ちを正確に伝えることができる音、その声。
いいですよね。このような使われ方については
イメージしやすいと思います。
★義務としてのボイストレーニング★
ただ、もう1つの側面については
私たち日本人にはイメージしにくいかもしれません。
それは
「義務としての側面」
です。
欧米社会では
声で相手に正確な意味を伝えることができる
ということは上に立つ人間にとっては義務なのだそうです。
この義務を果たせるかどうかで
「上流階級の人間」
として認められるか暗黙の制度が確立されて来たのです。
そう、彼らが、ボイストレーニングを受ける
一番のモチベーションの源泉はこれです。
声のレベルしだいで、自分の人間としてのランクを判断されてしまうのですから
必死になろうというものです。
日本では、声でランクを決められるということは
表面上は、ありません。
ただ、欧米社会ほどは激しくなくても
声によって判断されているという場面は
実は想像以上に多いのです。
「なんかあの人についていく気がしないんだよね」
「なんとなくあの人信頼できないよね」
「なんか、あの人軽いよね」
そんな風に、意識的にも無意識的にも
声によってその人の信頼度は判断されているはずです。
だからこそ、日本のリーダーやビジネスマンにとっても
声はもっとも重要なのです。
日本語が、そして日本人の声が全てにおいて
遅れているということを言っているわけではありません。
音声学的に見て、伝える信頼度、責任度という点が劣っている、ということのようです。
百年進んでいるという現実をイメージ出来ましたでしょうか?
次回は、欧米の小学校で行われている
驚くべき音のトレーニングについてお伝えしていきたいと思います。
林 洋一
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